摩周湖:世界有数の透明度を誇る神秘の湖
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北海道東部に位置する摩周湖(ましゅうこ)は、アイヌの伝説やその透明度の高さから「神の湖」とも呼ばれ、神秘的な雰囲気を漂わせる観光地です。標高約350メートルにあるカルデラ湖で、周囲を断崖絶壁に囲まれた姿は、訪れる人々を圧倒する美しさを持っています。摩周湖は、霧に包まれることが多いことから「霧の摩周湖」とも呼ばれ、その姿が見られるかどうかは訪れる者の運次第と言われています。この記事では、摩周湖の魅力、観光スポット、楽しみ方を詳しく紹介します。
摩周湖の特徴と魅力
摩周湖は、約7,000年前の火山活動によって形成されたカルデラ湖で、湖自体には河川が流れ込まず、また流れ出る川もないため、非常に清澄な水をたたえています。その透明度は一時、世界一とされ、現在でも世界有数の透明度を誇っています。水の美しさは透き通るほどで、晴れた日には湖面が深い青色を呈し、「摩周ブルー」と称される独特の色彩が見られます。
摩周湖はその自然環境のため、人工的な開発が一切されておらず、湖畔に立ち入ることができません。このことも摩周湖を特別な場所として神秘性を保つ一因となっており、人間が手を加えることのない自然のままの姿を楽しむことができる場所です。
湖面は霧に包まれることが多く、訪れた際に湖が見えるかどうかは「摩周運」とも呼ばれる幸運次第とされています。この霧が晴れた時に見られる湖の姿は、神秘的で非常に美しく、その瞬間に出会えた人々は心に深く刻まれる体験となることでしょう。
摩周湖の観光スポット
- 摩周第一展望台
摩周湖を最もよく観賞できるのが、摩周第一展望台です。駐車場や売店、カフェなどの観光施設が整っており、湖や中島(火山島)の眺望を楽しむことができます。ここからは、摩周湖全体を一望できるだけでなく、天気が良ければ斜里岳や遠く知床連山まで見渡すことができ、北海道の雄大な自然を感じることができます。摩周ブルーと呼ばれる湖面の美しい青色が見られるのも、この第一展望台が最適です。 - 摩周第三展望台
摩周湖を間近に感じられるのが摩周第三展望台です。観光バスなどが入らないため、訪れる人が少なく、静かな環境でゆっくりと湖を眺めることができます。湖に最も近い展望台のため、湖面の透明度や中島をより鮮明に見ることができ、特に写真撮影を楽しむ観光客にはおすすめのスポットです。 - 裏摩周展望台
摩周湖の反対側、東側から湖を眺められる「裏摩周展望台」も見逃せません。こちらは標高が低く、霧に包まれることが少ないため、天候が悪い日でも湖の姿を見られる可能性が高い展望台です。裏摩周展望台へは、道東の自然をドライブしながらアクセスでき、比較的静かな雰囲気で摩周湖の別の表情を楽しむことができます。 - 摩周湖の中島
摩周湖の中央に浮かぶ「カムイシュ島」は、湖底の火山活動によって形成された小さな島です。アイヌ語で「神の島」を意味するこの島は、摩周湖の象徴ともいえる存在で、展望台から望む湖の中心に浮かぶその姿が、湖全体の神秘的な雰囲気をさらに強調しています。
摩周湖周辺の観光スポット
- 屈斜路湖
摩周湖から車で約20分の場所にある「屈斜路湖」も、ぜひ訪れておきたい観光地です。屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、その湖畔には多くの温泉地が点在しています。湖の畔には「砂湯」と呼ばれる天然の足湯スポットがあり、湖畔の砂を掘ると湯が湧き出すという自然の不思議さを体験することができます。カヌーやサイクリングなどのアクティビティも充実しており、自然を満喫しながらリラックスできる場所です。 - 硫黄山(アトサヌプリ)
摩周湖の近くには、噴煙を上げ続ける活火山「硫黄山」があります。アイヌ語で「裸の山」を意味するアトサヌプリは、その名の通り、植物がほとんど育たない荒涼とした景観が広がっています。噴煙の迫力を間近で感じることができ、登山せずに簡単に観光できることから、多くの観光客に人気のスポットです。特に、硫黄の独特な香りとともに感じる大地のエネルギーは、摩周湖観光とセットで訪れる価値があります。
摩周湖の楽しみ方
摩周湖は、その特別な自然環境から多くのアクティビティや観光が楽しめますが、まず訪れる際には、湖面の美しさを堪能することが第一の目的となるでしょう。天候に恵まれれば、青く透き通る「摩周ブルー」を見ることができますが、霧が出ることが多いため、その瞬間を目にできるかどうかは運次第です。湖が霧に包まれた時でも、その幻想的な風景はまた一つの魅力となり、どんな天候でも自然の美しさを堪能できます。
また、摩周湖は自然保護の観点から湖畔に立ち入ることができないため、展望台からの眺望を楽しむことになります。そのため、いくつかの展望台を巡り、それぞれの角度から異なる表情を見せる湖を堪能するのもおすすめです。特に、摩周第一展望台から見る摩周湖の全景は、観光のハイライトとなるでしょう。
冬の摩周湖もまた特別な魅力を持っています。冬季には湖面が結氷し、白銀の世界に変わります。寒さの厳しい北海道の冬ですが、その静寂の中で見る湖の景色は、一見の価値があります。
摩周湖の伝説と歴史
摩周湖は古くからアイヌの人々によって神聖視されてきました。アイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と呼ばれ、神々が住む場所として畏敬の念を抱かれていました。また、「摩周湖の水を飲むと婚期が遅れる」という言い伝えもあり、これがさらに湖の神秘性を深めています。実際には、この言い伝えは観光客が湖水を持ち帰らないようにという願いから作られたとも言われていますが、その神秘的な雰囲気にぴったりのエピソードです。
まとめ
摩周湖は、その透明度の高さと神秘的な風景から、北海道を代表する観光地の一つです。霧に包まれることが多いことから、湖が姿を見せる瞬間は特別であり、その美しさは一度見ると忘れられないものとなるでしょう。摩周湖の周囲には豊かな自然や観光スポットが点在しており、北海道の雄大な自然を感じながら、ゆったりと過ごすことができます。